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市況分析レポート「テディーベアのマーケットアイ」9月17号

好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。

市場の認識ギャップ

市場と日銀の金融政策

日銀は、厚生労働省が9月上旬に発表した勤労統計で一般労働者の所定内給与が前年同月比で3%上昇したのを受け、2%の物価目標と整合的な中小企業も含めた3%の賃上げの実現がしっかり確認されたと考えているはずである。日銀は賃金と連動性の高い10月に改訂されるサービス価格を重視しており、10月25日に公表される10月の東京都区部の消費者物価が重要になる。サービス価格の上昇がもしそこで確認されれば、再利上げの可能性が高まる。
市場では物価や日本経済の成長の持続性に不安を感じる市場参加者が多く、政策金利の引き上げもあと1回が限界で、円高や株安が進めば追加利上げそのものも難しくなるという見方が一般的である。デフレや経済の停滞が長かったため慎重になるのは当然と思われるが、140円の為替はまだかなり円安で、日経平均の3万円台も水準としては高い。一方で、2.5%の消費者物価に対し0.25%の政策金利は低すぎる。日銀が慎重に金利の正常化を進めるのは当然と受け止めておいたほうがいいかもしれない。

市場とFRBの利下げ

9月18日のFOMCでの利下げは0.25%か0.5%か5分5分の状況になっている。FRBは労働市場の今後の悪化の程度がどうなるか見極めようとしている。
米国の株式市場の多くの投資家やアナリストはソフトランディングのシナリオにかけていて、利下げにより米国景気は多少減速はしても失速することはなく、企業業績も15%程度増加すると予想している。
債券市場では反対にソフトランディングは難しいという見方が多い。インフレの基調は強く、FRBが中立的なレベルまで政策金利を引き下げるのには1年以上かかる。実質金利は引き締め的で経済成長や貸し出し、消費に抑制的で、将来景気が失速する可能性を感じている。

政治リスク

今まで経済は政治の影響をあまり受けずに来たが、米国の大統領選挙や日本の自民党の総裁選には注意が必要。ハリス氏は米国の大企業の価格つり上げをなくすことや富裕層や大企業の増税、金融所得課税強化を行うと表明している。総裁の有力候補の石破氏も金融所得の増税や健全財政を目指している。今まで市場はフレンドリーな政策に慣れきっており、選挙の結果このような骨太の政策が現実に行われる可能性に対応できていない。


次号は9月24日の予定です

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