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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」10月7日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
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※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。
1.日米の金融政策と経済動向 |
■日本経済と金融財政政策 国内の経済・物価情勢自体は回復傾向にあり、4~6月のGDPは前期比 0.7%と持ち直している。厚生労働省の毎月勤労統計調査でも実質賃金が2カ月連続で前年同月を上回ってきており、米国景気の問題がないことが確認できれば、引き続き金利の正常化を進めていくものと思われる。石破首相の発言は選挙を意識したもので日銀の追加利上げが妨げられることはない。10月25日に発表される東京都区部の消費者物価で、今年の賃上げ分がサービス価格に転嫁できていることを確認できれば、年明け以降次の利上げの実施が予想される。 財政政策については岸田政権の方針を踏襲したものになると思われるが、企業に気候変動への取り組みを促すだけでは巨額の支援を受ける中国勢に対抗することはできない。現在、イタリアのドラギ首相がEUに提出した、年約130兆円の戦略産業テコ入れのための官民投資に関する報告書が話題になっているが、日本でも脱炭素、DX、AI、半導体などの成長産業に対しかなり大規模な補助金の投入が必要になる。 ■FRBと経済情勢 99月の雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比25.4万人増と予想を大幅に上回り雇用情勢の失速懸念が和らいだ。インフレは2%に向かって低下し、雇用はほぼ完全雇用でGDPも3%の安定成長と明らかに米国景気はソフトランディングシナリオに沿って進んでいるように見える。 但し、雇用関係の数字は遅行指数で、景気後退期に入ってからレイオフが増加し大きく悪化する傾向がある。コロナ禍以降は経済動向は特殊で景気循環が読みづらくなっている。長引く高金利の影響と膨大な財政支出の効果が重なり合って見通せない部分が多い。従来の金融システムの外側で巨大化したシャドウバンキングの存在がより問題を複雑にしている。 また、ヴェリタスの誌上で重見氏が指摘しているようにFRBが利上げの早い時期から利下げに言及してきたことで、自ら利上げの効果を薄めてしまったことも間違いない。FRBは物価の安定から雇用の最大化に重点をシフトし9月には0.5%の大幅な利下げを行った。雇用の悪化を未然に防ぐ効果的な政策だったと評価される一方で、現在の政権を支援したのでないかという見方もある。 インフレが収まらない中、大幅な利下げを行うと将来高インフレが再燃するリスクを冒している恐れがあることは間違いない。 |
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