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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」8月18日号

好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。

⒈金融経済情勢 米国経済
関税による物価上昇圧力は消費者物価よりまず卸売物価指数に初めて現れる。発表された7月の卸売物価は、前月比0.9%と、企業が関税の輸入コストを価格に転嫁しはじめた結果、3年ぶりの大幅上昇となった。先週発表された7月の雇用統計を受けて、FRBが9月の会合でFF金利の誘導目標を引き下げるのはほぼ確実視されているが、8月の消費者物価の数字が大きく上振れる可能性が出てきた。25年1〜3月期は0.5%、4〜6月期は1.4%の成長にとどまり、ゴールドマンサックスによると年後半も0.8%の低成長が予想されていて、米国経済はスタグフレーションのリスクが高まりつつある。30年固定の住宅ローン金利が6%後半で高止まりするなど高金利が重荷になりつつあり、中古住宅販売や住宅投資が減っている。インフレのリスクはあるものの、ベッセント財務長官も、政策金利の1.5%程度の引き下げなど、FRBに積極的な利下げを求めている。

ベッセント発言と日銀の金融政策
ベッセント財務長官は日経新聞のインタビューで、強いドル政策とは、為替の特定の水準ではなく基軸通貨の立場を維持する政策で、関税政策と米国への投資促進が柱になると述べた。
ベッセント財務長官は、日銀のインフレに対する対応が後手に回っていると指摘し、日銀に早期の利上げを促した。穿った見方をすると自動車関税の15%への引き下げと日銀の利上げがセットになっているかもしれない。米国が対日貿易赤字を減らす為に日本に対し為替の円安の修正を求めているとしたら、日銀は早いタイミングで政策金利の1%への水準訂正を迫られる可能性がある。


2.マーケット動向

米国市場
米国の株式市場は、景気の減速や企業業績への懸念がある中、今後のFRBの連続的な利下げを期待し高値を更新している。市場は、9月16〜17日のFOMCを控え、21〜23日のジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言に注目している。直前に発表される9月5日の雇用統計や11日の消費者物価で、関税政策の物価・雇用に与える影響を確認する事になる。次回FOMCが株式市場の転換点になると思われる。FRBがインフレよりも景気を重視する判断すれば、市場はスタグフレーションのリスクを織り込み始める。インフレと景気減速は景気回復後期の特色で、誤った金融緩和はその後の金融引き締めを早め、景気後退期に入る。今後景気が後退すると、米国株は意外と長い調整局面に入ると思われる。

為替
トランプ政権は関税交渉で各国から、日本の80兆円をはじめ、多額の対米投資の約束を取り付けた。今後大幅な円安・ドル高になると予想する市場関係者も多いが、どこまで為替を押し上げるか見通せないのではないか。実際の工場建設には2〜3年かかる上に、次の政権で政策が変わる可能性もあり、企業にしてもすぐに投資に動くのは難しいのでないか。既存の投資に多少上乗せする事で凌ぎたいと考えるはずである。
ベッセント財務長官は、比較的短期間のうちに、FRBに対してFF金利の誘導目標の3%への引き下げ、日銀に対しては政策金利の1%への引き上げを求める可能性がある。そのケースでは、ドル円の為替レートは1ドル130円程度まで円高が進む恐れがある。

日本株式市場
                                          
15日の東京株式市場では日経平均が再び高値を更新した。4〜6月期決算は3年ぶりの
減益で、先行き不透明にもかかわらず買いが止まらない。米国一極集中を修正するための
海外投資家の買いが中心だが、国内投資家もここへきて株高に乗り遅れることを心配し始
めている。インフレが定着してくると、名目ベースで収益が膨らみやすく、たとえ実質ベース
では伸び悩んでも大幅な増益になる。今期はともかく、二桁の増益が期待できる来期の業
績を考慮すると買えると判断する投資家が増えている。実際のところは米国株に連動してい
るだけで、今後米国株がスタグフレーションへの懸念から下落すれば、日本株も連動して下
げることになる。下値の目処は意外に深く日経平均で35000円前後になると予想してい
る。
東京株式市場で新興株の動きを示す東証グロース市場250指数が続伸している。日経平
均が高値を更新するなか、関税の影響を受けない国内売上高比率の高いグロース株に資
金が集まりはじめている。米国で利下げが確実視されているのもサポート材料になってい
る。米国の利下げが続く限り、中小型株の相場が大きく上昇する可能性がある。


日本債券市場
国内債券市場で10年国債利回りが1.575%に上昇した。米国の長期金利の上昇、日銀
の年内利上げ観測や財政支出の拡大への懸念が長期金利を押し上げた。一方で、与野党
の間でガソリン減税の恒久財源として法人税の増税論が浮上するなど、安定した財源を模
索する動きも始まっている。政策金利の1%までの引き上げは織り込まれており、たとえ利上
げがあっても、日本10年国債の利回りの上昇は限定的と思われる。因みに、企業の内部留
保は600兆円と過去最高を更新し、保有する現・預金も300兆円まで膨らんでいて、大企
業は体力を温存していると思われる。
                                       以上

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