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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」1月19日号

好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。

⒈金融経済情勢
1.金融市場動向                        ※次号は2月2日の予定です
⑴日本

為替の介入日本のドル円買いの介入の可能性が高まってきた。介入があっても円安の修正は難しいという見方が多いが、その点は当局もよく承知しているが、選挙を控え円安を放置するわけにはいかないので、介入のタイミングをはかっていると思われる。介入の効果を高めるには10兆円とか、相当の規模が必要になる。また、同じく通貨安に苦しんでいる韓国と協調することも考えられるが、インパクトがあるのは、日米協調介入である。為替の介入については、円のキャリートレードのアンワインドがリスクになる。金利の安い円を借りて、日米の株式や金、仮想通貨などに投資していて、総額は約200兆円に昇ると推定されている。介入で予想以上に円高に触れると、株式などの売りが一気に膨らむ恐れがある。


⑵米国

ドンロー主義と地政学リスクの高まり
トランプ大統領は、ベネズエラのマドゥーロ政権を倒した後に開いた記者会見で、西半球における米国の覇権の確立を目指す決意を鮮明にしたいわゆるドンロー主義を宣言した。デンマークの自治領であるグリーンランドの併合についても、改めて意欲を表明していて、NATOに加盟している同盟国の一部を併合する事は、中南米の独裁的な指導者を打倒するよりはるかに危険な一手となる。トランプ政権は国家安保戦略で、ロシア及び中国との戦略的安定の確立を優先課題として挙げていて、大国がそれぞれの勢力圏を持つことで、世界が安定すると考えている可能性がある。中国は台湾を自国の領土の一部としていて、米国が西半球支配、中国に東アジアの支配を認める取引をする可能性を否定できない。中国が、トランプ政権のうちに取引をした方が都合が良い結果をもたらすと考えてもおかしくない。トランプ政権の最近の政策は明らかに危険な一線を超えている。

クレジットカード金利上限で大統領令
トランプ政権はクレジットカード金利の上限設定を盛り込んだ大統領令を検討している。クレジットカード金利の上限を1年間10%に設定するよう要求しており、数十億ドル規模の利益が失われる可能性がある。クレジットカード金利は現在20%超で推移していて、デフォルトや延滞を考慮すると金利の引き下げの影響は大きい。貸し渋りなどにより利用者も大きなダメージを被ることになる。ローンファンドなどのシャドーバンキングへの影響も懸念される。


2.マーケット動向
⑴日本

債券
国内金利の大幅な上昇については、積極財政による国債の増発や日銀の利上げに慎重なスタンスが、インフレの加速する可能性を意識させたと言われているが、本質は、債券に損失を抱えた金融機関が積極的な投資を行えないことに原因があると思われる。20年以上続いたゼロ金利から、金利の大きく動く世界に短期間で変化し、対応に苦労するのは当然である。財源の目処がないまま食料品の消費税減税を行うと、最大で10兆円程度の財源が不足することになる。インフレ懸念からターミナルレートは2%前後に上昇し、長期国債10年の利回りも2.5%前後の水準に達し、マーケットは大きく混乱することになる。食料品の消費税の減税については、実際には、社会保障制度の改革や代替財源と合わせて検討が行われるだろう。
米国では政治的な不安定さが増しており、年後半は米国景気が減速する可能性が高い。今のうちに債券ポートフォリオの再構築を積極的に進めておきたい。
高市首相は市場が予想するよりも財政赤字の拡大には慎重で、また、インフレについてもアベノミクスの時とは状況が異なることは理解しており、自民党が過半数の議席を獲得したとしても、財政支出を拡大する可能性は高くない。現在の円安・債券安は行き過ぎていると思われる。

株式
19日には高市首相が衆院解散を表明する予定で、株式市場では、国内政治を背景にした相場展開がしばらく続く見込みである。立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」や日本維新の会など各党が掲げる選挙公約が取引材料になりやすい。23日には、日銀の金融政策決定会合が行われるが、インフレに対して従来よりも警戒スタンスを強めるのではないかと予想している。リスクは為替の介入で、介入の規模や介入の仕方によっては円高に動いて株価が大きく下落する恐れがある。先週日経平均株価は週間で4%上昇し、衆議院の解散は株価にほぼ織り込んだ。公明党の基礎票がない中で、自民党が過半数を取れるか不透明で、自民党が時限的な食料品の消費税引き下げを公約に盛り込むかがポイントになる。企業業績の拡大のシナリオは変わっていないので、為替の介入で株価が下落しても下げは限定的なものにとどまる。


⑵米国

米国株市場は決算発表シーズン開始
2025年第4四半期決算は、EPSコンセンサス予想を上回る10%以上の増益が期待されている。ハイテク企業が上昇分の大半に貢献すると見られていて、多くの投資家が自信を持っている状況である。それでも今まで米国株は、高いROEが原動力となってきたが、効率化による利益が頭打ちになり、不法移民対策による人件費の増加や関税によるコスト圧力が高まってきていて、収益がピークを迎える兆候が見られる。また、売り上げ高の増加ではなく、従業員の減少によって利益が達成される状況にあり、短期的にはメリットがあるが、長期的な成長力が損われることになる。コアのGDPの伸びが鈍化していて、ハイテク分野が唯一好況なセクターで、多くのシクリカル銘柄がバリエーション的にはこれ以上買えない水準になっている。今の米国景気は、大手ハイテク企業の設備投資と株価の上昇による資産効果に支えられたもので、何らかのきっかけで急速に悪化するリスクを抱えている。米国株式市場は11月以降高値でのもみ合いが続いているが、主役を担ってきた大型ハイテク株について多くの投資家は、秋にかけて売るタイミングを見計らっているものと思われる。

長期金利は上昇トレンドに
FRBが、今年市場のコンセンサス通り政策金利の誘導目標を2回引き下げたとしても、指標となる10年米国債の利回りは、平均を上回るインフレや大規模な財政赤字を嫌気して、大幅に上昇する可能性がある。景気が比較的堅調で、インフレが大幅に減速しない状況で、政策金利を3%前後まで強引に引き下げれば、投資家は不安を感じ、国債利回りの急上昇を引き起こすリスクが高まる。昨年の会計年度の財政赤字は、関税収入が加わったにもかかわらず、GDP対比で6%に達しており、関税の合法性について、最高裁の判断が下される見通しで、投資家の需給への懸念は高まっている。NATO同盟国を併合しようとするトランプ政権の姿勢も、欧州諸国の米国債に対す信認を大きく傷つけている。10年国債利回りが4.5%に上昇すると株式市場に悪影響を与えることが想定される。
                                         以上

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