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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」2月3日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。
Market Report: “Teddy Bear’s Market Eye” – Jan.20 Issue
Our company’s market analysis series, “Teddy Bear’s Market Eye,” led by our representative Takashi Noda, has been well-received. On our website, we feature only the top column from the latest edition of Market Eye. For our clients, we also provide a comprehensive version that includes additional commentary on market trends. If you wish to subscribe, please contact us via the inquiry form.
Disclaimer:
This report aims to provide information about the economic and market environment as a reference for investors. It does not recommend investment in any specific securities nor is it intended as an invitation to invest. The report is based on information deemed reliable and represents independent analysis and opinions at the time of writing. However, the accuracy of its content is not guaranteed.

1. 日米経済金融情勢
■トランプ米政権
トランプ政権は1日、4日からカナダとメキシコからの輸入品に25%、中国にも追加関税を賦課する大統領令に署名した。カナダ、メキシコ、中国は米国にとって全体のほぼ半分を占める主要な輸入先で、自動車産業やエネルギーセクターに大きなダメージを与えることになる。命令には米国に送られる小包などに対する免除の取り消しも含まれていて、オンライン小売業などに影響を与える。これは今後打ち出される措置の一環で、これらの国からの不法移民や薬物の米国への流入阻止で十分な措置を講じていないことへの制裁措置と位置付けられる。これとは別に各国から輸入する半導体やエネルギー資源など幅広い品目に関税を課す方針も示した。2月18日ごろ実施されるだろうと説明があった。さらに3月末をめどに、個別の貿易や為替などの状況を検討したうえで各国別の赤字貿易を減らすための関税や為替などまとめるとしている。
カナダ、メキシコや中国への今回の関税は取り締まりに進展があれば取りやめる可能性が高いが、18日の一律に予定している関税は恒久的な措置になる可能性がある。トランプ政権の大型減税を延長すれば財政赤字の国内生産比率は7.5%に達し、債券利回りが急上昇するリスクが高まる。トランプ政権は債券利回りの上昇をかなり恐れていて関税による大幅な歳入の増加に期待している。
中国に対しては単に貿易赤字の削減を迫るだけでなく、莫大なハイテクへの補助金や過剰な生産能力を背景とした安値輸出など、不公平な環境の是正を求めるとともに為替についても適正水準について検討していると思われる。また、ウクライナとロシアの和平交渉についても、一定の役割を担うことを要請する可能性がある。
■日銀利上げ
日銀は24日までに開いた金融政策決定会合で0.5%まで政策金利を引き上げる決定をした。同時に為替の円安を主因に25年、26年の物価見通しをそれぞれ引き上げた。日本の実質金利は他の主要先進国と比べて突出して低く、1%台といわれる中立金利にまだ相当幅があると植田総裁はコメントした。
金利の正常化を進めていくのは正しい選択と思われるが為替を主因にした円安に金融政策で対応するのには限界がある。財政の無駄な支出を削減したり、健全財政への取り組みを対外的にアピールしたり、米国へ行き過ぎたドル高の是正を政官民一体で働きかけることなどが必要となる。
1
2.マーケット
■米国株式市場
今話題の「ディープシーク(DeepSeek)」は安いだけでなく多言語で使える能力や難易度の高い数学を解く能力など、ほとんどの項目で米国の最先端モデルを上回ったといわれており評判がいい。「蒸留」という開発手法で公開技術を巧みに組み合わせてライバルを上回る性能を安価に引き出したといわれている。これによってAIは普及可能性が一層高まる一方で、巨額のデータセンター費用の回収に懸念が生じてきている。株式市場の反応は複雑で、M7の中でも差が出てくることが予想され、またM7以外の銘柄が買われる可能性もあるが、全体としては調整しやすくなるのではないか。
個人資産の急増により消費は所得の伸びを上回るペースで拡大しており、株式市場が経済を反映するというより、経済が株式市場の動向を反映するといったほうが理解しやすいかもしれない。関税をめぐる混乱や債券利回りの上昇などをきっかけに株式の強気相場が下落すると、逆に個人消費の下押し圧力となる。マネーサプライも減少している。
トランプ政権は、関税の賦課による一時的なインフレを、ロシアとウクライナの停戦を一日も早く実現させ、原油を増産させることで軽減したいと考えていると思われる。
■日本株式市場
カナダ、メキシコへの関税や2月中旬の一律関税が賦課されると輸出産業を中心に影響は避けられないと思われるが、米国一極集中のリスクを回避する動きが世界的に広がりつある。欧州株についても欧州の経済や政治の状況は決して良くないものの、利下げを好感した買いが継続している。
利上げを無事に通過した日本株にも海外投資家が増やす動きが少しずつ始まっている。先日のDeepSeekショックでも内需系を中心に東証プライム全体の78%が上昇した。また、今まで低迷していたグロース250指数の動きも底堅くなってきている。
日銀の次の利上げは相当ハードルが高いが、次の利上げをマーケットが無事にこなせると、為替は円高に行くとともに株式市場は大きく上昇すると思われる。
以上

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