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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」2月10日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。
Market Report: “Teddy Bear’s Market Eye” – Jan.20 Issue
Our company’s market analysis series, “Teddy Bear’s Market Eye,” led by our representative Takashi Noda, has been well-received. On our website, we feature only the top column from the latest edition of Market Eye. For our clients, we also provide a comprehensive version that includes additional commentary on market trends. If you wish to subscribe, please contact us via the inquiry form.
Disclaimer:
This report aims to provide information about the economic and market environment as a reference for investors. It does not recommend investment in any specific securities nor is it intended as an invitation to invest. The report is based on information deemed reliable and represents independent analysis and opinions at the time of writing. However, the accuracy of its content is not guaranteed.

1.日米経済金融情勢
■米国
1月の雇用統計では雇用者数の伸びは市場予想を下回ったが失業率は
4.0%に低下し平均賃金の伸びは予想を上回った。今回の統計をうけて3月の利下げ可能性は低くなった。但し、カルフォルニアの山火事に関連した政府雇用を除くと主要な雇用部門では過去6月平均と比較して雇用創出が減少していて、将来の利下げの可能性は消えていない。
トランプ政権はインフレを映す債券の動きに非常に敏感で、5日に発表した国債発行計画で発行規模を据え置く方針を示し、4.8%前後まで上昇していた国債利回りの低下を促した。米国債の発行残高は約27兆7650億ドルと14年から10年で2.25倍に増え、財政赤字も1兆9000億ドルから2035年には2兆7000億ドルに増加すると見られ、トランプ政権は米国債市場の脆弱さを常に意識せざるを得ない状況にある
関税についてはインフレへの影響は限定的と判断したようで、中国からの輸入品へ10%の追加関税を発動し、また10日には貿易の相手国と相互に同様の関税を課すことを公表すると表明した。また、2月中旬には欧州連合を含め、半導体など品目別の関税を出すと示唆している。4月1日までには米通商代表部が各国との貿易取引を調査し追加の関税をまとめることになっている。3月の会合ではFRBもさすがに決定することは難しいと思われる。
トランプ関税を見越して消費者は既に買い物をすませ、企業は価格を引き上げ始めている可能性が高く、関税は意識された段階で価格上昇を引き起こしやすい。関税がインフレなのか景気を減速させるのか、十分な税収を得られるのかその効果は複雑でわかりにくい。
トランプ米大統領はインフレの抑制、不法移民排除と労働者の復権が重要課題であるが、労働者階級に報いるには米国内への製造業の回帰と良質な雇用の拡大が必要になるが、そのためにトランプ大統領は関税の引き上げに着手した。しかしながら、ここまでグローバル化が進展した中で、米国製造業の国内回帰は難しいと思われる。この取り組みは米国の体力を浪費させることになる恐れがある。
■日本
日銀が公表した1月の金融政策決定会合の「主な意見」では物価の上振れや円安進行を懸念したさらなる利上げを求める声が上がり、その後の日銀田村委員の利上げを促す発言もあって、7月の0.75%への利上げがマーケットコンセンサスになりつつある。
主要国の政策金利の中で日本の低さは異常で、これが過度な円安の原因である。潜在成長率が低くてもプラスであり、物価上昇率が継続的に2%程度まで上がれば、それに応じて政策金利も上げる必要がある。0.75%への引き上げは相当ハードルが高いが、現在の景気や為替の水準に変化がなければ、生活者目線にたてば引き上げは既定路線になりつつある。
2.マーケット
■米国株式市場
DeepSeekショック以降、米国株式市場は落ち着かない相場が続いている。決算発表を終える中、M7銘柄でも高い期待にこたえられず下落する銘柄が目立つ。半導体などハードウェアの製造を手がける銘柄からソフトウェアに物色が変化するという見方が広がっている。巨大テックの分を金融やヘルスケアで埋められるかというと厳しいかもしれない。利下げが再開されるまで、調整は避けられない。
重要なポイントは、ロールされる減税の規模で、縮小すると景気減速のリスクが高まり、そのままロールすると財政赤字は6%から7.5%へ拡大し、国債発行は拡大し長期金利は上昇する。過剰流動性の減少に連れて今まで無視してきた巨大な財政赤字や貿易赤字が意識され、インフレが再燃し株安、ドル安を引き起こすリスクがある。
■日本株式市場
日本の国債10年の利回りが1.3%前後まで上昇している。今後の日銀の金利の引き上げに備えて採算性の低い資産を売却していると思われる。ここまで利上げの予想が強まるとある程度備えてくのはやむを得ない。
日本株、日本への関税は織り込んだと思われるが、中国や欧州などへの収益への影響は織り込めていない。米国の利下げが再開されるまではもみ合う展開になることが予想される。但し、企業の設備投資意欲は旺盛で、株価が大きく下げたら買いたい投資家は多い。ハイテクや大型優良株は手掛けにくい中、徐々に中小型株が物色される条件が整いつつあるという見方もある。
以上
2025/02/10

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