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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」1月5日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。

※明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
⒈金融経済情勢米国のベネズエラ攻撃米政権によるベネズエラ攻撃は、国益の確保を優先するためには、他国への武力行使も辞さない姿勢を鮮明にしたものである。米国は他国が武力によって一方的な現状変更を図ることを批判してきたが、今回の攻撃はロシアや中国に誤ったメッセージを送ることになる。今回トランプ政権は、連邦議会の上位軍事委員会に攻撃を事前通知しておらず、今回の行動が憲法上正当化されるのか今後問われることになる。高市政権として同盟国である米国の行動に対し、国際法を遵守する立場を明確に示すことが求められる。国際法より軍事力を優先する時代に逆行している事は恐ろしい。
デフレを脱却した日本経済と高市政権
世界的なサプライチェーンの見直しや財政支出の拡大による政府の関与が拡大するなど、日本のデフレは終わった。日本経済にとって人口減少はインフレ圧力になる。今まで人口の減少はデフレ圧力だと考えられてきたが、生産年齢人口に対する就業者の比率が80%に向けて上昇しており、また正規雇用の伸びが非正規雇用の伸びを上回るようになり、ベアも復活し、労働市場はルイスの転換点を超え賃金の上がる経済に変わってきた。今後は、企業の積極的な経営効率化への取り組みが企業の収益性を高め株主還元が高まることが期待される。高市政権による1170億ドルの大規模な財政刺激策も経済の成長を支えると思われる。問題は高市政権発足以来、積極財政による財政悪化懸念が円安要因となり、円に売り圧力がかかり、さらにインフレが加速する、という負のスパイラルになりつつあることである。確かに積極財政により、民間の設備投資を誘発し、供給力を強化し、日本の潜在成長率を高める事は極めて重要ではあるが、円安、債券安の同時進行と言う市場のシグナルは無視できない。国民は歳出削減や増税がいずれ必要になることはわかっていて、高市政権の財政金融政策や経済政策が成功すると本気で思っている人は少ない。政治家が自ら厳しい姿勢を示せるかを見られている。その意味では企業団体献金の規制強化と議員定数の削減が最も重要になる。
米国経済
米国の第3四半期の実質GDPは、第2四半期の3.8%から加速し、年率換算で4.3%増加したが成長を支えた要素が今後も持続する可能性は低い。直近のデータは、個人消費の減速や雇用の鈍化、実質所得の伸び悩みなど個人が過去に積み上がった過剰貯蓄を使い果たしたことを示している。第4四半期は減速リスクが高まっており、第4四半期の実質GDP成長率が1%以下まで減速するという見方がある。中間選挙に向けて、トランプ政権による財政支出拡大の期待はあるが、トランプ大統領の権勢に衰えが見られ、政治的な不安定さが増している。ベネズエラ攻撃も波乱要因になる。自動車ローンの延滞率の上昇や、中小企業の倒産の増加も気になる。突然の大型倒産など、シャドウバンキングを通じた金融システムリスクが最大のテールリスクである。
FRBの後任議長
FRBの次期議長としては、国家経済会議のケビンハセット委員長と元FRB理事のケビンウォーシュ氏が、左右力候補とされている。最も有力とされているハセット氏が指名された場合には、積極的に金融緩和を主張していることから、為替市場ではドル安圧力がかかりやすい。ウォッシュ氏は金融緩和と合わせて量的な引き締めを推奨しており、インフレの抑制とFRBの信頼回復を主張するなど市場からの評価は高く好感されやすい。
⒉マーケット動向2026
概観
現地通貨ベースのリターンで見た昨年のパフォーマンス世界最大の株式市場である米国は20位前後で、2025年の主役は米国ではなかった。国際的には、株式が来年も引き続き好調を維持する可能性が高く、投資の分散化が進むと見込んでいる。特に欧州は、景気の循環的な拡大が見込まれ、また26年のドイツの財政刺激策や欧州全体の防衛指数拡大によって加速が見込まれ、欧州株は景気回復の恩恵を受ける可能性がある。高市政権の積極財政に期待が集まる日本株も選好される。債券は、日欧は買い場探し、米国は売場を探す展開を予想する。
日本株は後半に期待
日本株は年前半は揉み合う展開になる。成長重視の高市政権の経済政策への理想買いは一巡し、これからは、高いバリュエーションにEPSの伸びが追いついていく必要がある。マイルドなインフレは名目的な利益が伸びやすく、また自社株買いなど株主還元が強化されていることも、株式市場にプラスに働き、海外投資家の関心も高いが、まだまだ本格的な株価の上昇には力不足である。海外投資家の資金が本格的に流入するには、高市政権の経済政策が誘因となって、民間の設備投資が増えて潜在成長率が上昇することを確認する必要がある。ロボットや機械をAIで制御するフィジカルAIやエネルギーインフラに期待している。今年は、米国の大型ハイテク株の業績の減速やAIの設備投資が市場予想を下回る減速を見せ、米国株価下落することが最大のリスクになるが、米国株が下落しても日本企業への影響は限定的なものにとどまる。
2026年前半の予想レンジ
4万6000円ー5万3000円米国株式市場米国
米国株式市場
米国株式市場は、2025年は年間では、ダウは約13%、SP 500が約16.4%、ナスダックが約20.4%上昇した。ダウは月間ベースでは17年から18年以来、最長となる8ヶ月連続で上昇した。エヌビディアは年初来39%値上がりし、アルファベットは年間65%急伸するなど通信サービスは、SP 500主要セクターの中で最も好調なセクターとなった。一方で、ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2対1の比率で上回った。ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.2対1の比率で上回った。米国のテクノロジー株は、米国株式市場の優位性を牽引してきた。2009年以降、米国市場の時価総額は50兆ドル増加したが、その増加分の75%はわずか3%の150銘柄がもたらし、世界の上場株式、時価総額の3分の2を米国が占めている。
米商務省のデータによると、民間のIT関連投資の国内総生産比率は25年7月~9月期で4.5%と、ITバブル期とほぼ同水準に並んだ。巨額のIT投資がトランプ政権の高関税政策の影響を和らげた。今年は、多くの機関投資家が、財政赤字の大きさや、貧富の格差拡大による国民の不満の高まり、前例のないテクノロジーへの集中と言う状況の中で、米国が世界で最も安全な投資先なのか疑問を抱き始め、米国へのエクスポージャーを縮小したいと考え始めている。米国の株式市場が、過去3年のような上昇基調を維持するのは難しい。特に気になるのはインフレで、インフレが再燃すると利下げは打ち止めになり、債券の利回りが上昇しバリュエーションの見直しにより大手ハイテク株を中心に株価は下落する。大手ハイテク株の下落による逆資産効果は大きく、株価の調整は想定されているものより長く深いものになる可能性が高い。
債券市場
○日本の債券利回りの上昇がなかなか止まらない。高市政権の財政拡張的な政策により円安・インフレが加速する恐れが背景にある。国内のマーケット参加者の多くが、国内の期間の長い金利の上昇を経験したことがないため、想定以上に大きく動くという感覚を持ちやすく、また債券に大きな含み損を抱えていることも判断をより慎重にしている。年内の日銀の政策金利の引き上げは、あと1回で6月までに1%に引き上げられ、そこで一旦様子見になるのではないか。年央以降は、米国の利下げの打ち止めやAIバブルの崩壊、政治的な不安定さの高まりなどによる米国景気減速で、日銀の金融正常化の動きは一旦休止となり、債券利回りには低下圧力がかかると予想している。10年国債の利回りが2%で購入し始めて良い水準になっている。10年国債利回りで、2.3~2.4%にワンタッチする可能性はあるが、上昇は一時的で、米国景気が減速すれば1.5%以下まで低下すると見ている。高市政権の経済政策の効果が確認できた段階で日銀は利上げを再開すると思われる。
○米国の金融政策は6月までに1回、中間選挙の前に1回利下げが行われると予想するが、政策金利の引き下げにもかかわらず、インフレや中間選挙を控えて財政支出の拡大が懸念され、長期の債券利回りは上昇しやすい。10年で4.25%がクリティカルポイントで、この水準を超えると上昇が加速する恐れがある。
為替市場
26年の円相場は、円高局面への転換は難しいという見方が多い。高市政権の積極財政やインフレ容認的な政策が、日銀の利上げ効果を削ぐとともに利上げに抑制的に働くとの思惑を呼びやすい。日銀も政策金利が、実質で群を抜いて世界最低水準にあることを認めている。為替を反転させるためには金融政策は日銀に任せ、安易な財政支出に頼らない姿勢を明確にすることが必要になる。
米国でインフレが再燃すると、債券利回りが上昇し、ドル高が進行して165円台まで円安が進むという見方があるが、おそらくドル高は一時的で、株価が下落しドルは売られ円は140円まで円高が進むと見ている。
以上

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