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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」12月22日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。

※次号は1月5日の予定です。皆様よいお年をお迎えください。
⒈日本の金融市場見通し2026年
財政は規律が重要
高市政権の大規模な供給力強化の政策をきっかけに、民間の積極的な設備投資が促され、生産性の上昇や成長率の上昇が期待される一方、円安や、供給面の制約からインフレ圧力が引き続き強く、実質賃金はマイナスで消費は伸び悩んでいる。成長分野を絞り込み、政府資金を投入して民間の設備投資を呼び込んで供給力を強化し、潜在成長率を高める経済政策の方向性は正しいと思われる。経済政策はあくまで民間の投資の呼び水で野放図な財政支出の拡大は慎み、市場の信認をつなぎ止め長期金利を安定させることが、今最も求められている。成長重視の経済政策が成功するには、成長分野は明らかなので、限られた資金を無駄を省いて、いかに振り向けるかが成否を分けるポイントになる。そのためには、既得権益にどこまで切り込めるかが重要である。議員定数の削減や、企業団体、献金の規制強化等身を切る改革ができるかが試金石になる。
日銀は市場へ配慮しすぎ?
日銀は1.5%に達するまで、今後半年に1度のペースで0.25%の利上げを行うことが予想される。最大のリスクは、円安が進み利上げを催促されるサイクルに入ることである。市場に事前に金融政策を丁寧に織り込ませようとすると、市場はさらに催促を繰り返す。日銀には、ベッセント財務長官のように市場を従わせる手腕を期待したい。
2026年の株式市場は後半に期待
日本の株式市場は、前半はAI関連株の下落が予想される米国株に連動して下落すると予想している。その後は、来期の2桁以上の企業業績の増益を確信できれば年末にかけて上昇すると思われる。ウクライナの停戦交渉の成立や、トランプ政権の関税政策について連邦裁判所の違憲判決は、一時的に日本株にとってプラス材料になる。
全要素生産性上昇率が過去40年平均の1%に達し、名目成長率が2%台後半になれば、中長期的には日経平均株価は10万円を超えて上昇するという見方があるが、政策の効果が現れるのには、数年かかると思われる。それまでは、期待と不安を繰り返しながら、株価は上昇していく展開を想定している。来年の日本株は、今まで見過ごされてきた日本株が、世界のファンドマネージャーから改めて注目される年になる事を期待する。
債券は極めて重要な投資
日銀が国債の買い入れを減らしたことで、国債の利回りは本来の市場機能を発揮することができるようになった。円債はコアの投資先として極めて重要で、今後株式投資といかに組み合わせるかが、有価証券を運用する上で最も重要になる。日本国債10年の予想レンジが1.5〜2.5%、コアレンジは1.7%〜2.2%。今年は5年に1度の赤字国債の発行を認める特例公債法案の提出が予定されており、法案が成立しないと、赤字国債の発行ができなくなる。この法案は予算案と違って、衆議院の優越が効かないため、参議院でも可決させる必要があり、野党に有力な交渉材料を与えることになる。財政支出がさらに拡大し国債の利回りが上昇することが懸念される。自民党としては、今後維新に加えて国民民主党へも、連立への参加を求めていくものと思われる。
⒉米国の金融市場見通し2026年
インフレと債券利回りの上昇がリスク要因
2026年の米国成長率は2%前後の予想が多い。金融緩和や残業代やチップ等の税還付による消費下支え効果が見込まれているが、過去を振り返ってみると、1年先のコンセンサス予想が当たった試しがない。
経済が改善しつつある中で、金融緩和や積極的な財政支出を行う結果、インフレが再燃し債券の利回りが上昇、株価が下落する可能性がある。ハイテクバブルの崩壊とシャド-バンク問題が重なると、下落幅はさらに大きくなり調整が長引く恐れがある。
日銀が、追加利上げを明確にすることもリスクで、日銀による金利の正常化は、世界のリスクテイクを資金面で支える役割を終えることを意味し、今後、米国の投資家にとって、米国債やハイテク株のキャリートレードが崩れる恐れが高まる。
問題は、景気が減速したり、株価が下落したときに、打てる手が限られていることである。2026年は、経常収支の大幅な赤字や膨大な財政赤字、膨れ上がったシャド-バンキングなど、米国の抱える深刻な不均衡が表面化する年になると思われる。
以上

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