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市況レポート「テディベアのマーケットアイ」3月3日号
好評をいただいている、弊社代表・野田隆の市況分析「テディーベアのマーケットアイ」。
ウェブサイトでは、先週の「マーケットアイ」よりトップコラムのみを転載しています。お取引のある皆さまへは、市場動向についてのコラムと併せてお届けしています。購読をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※このレポートは投資家に参考になる経済・市場環境に関する情報を目的としたもので、特定の有価証券の投資を推奨したり、投資勧誘したりすることを目的としたものではありません。また、このレポートは弊社が信頼できると考えられる情報に基づき、独自にこれを分析した見解であり、レポート作成時の執筆者の意見を正確に反映しますが、その内容を保証するものではありません。
Market Report: “Teddy Bear’s Market Eye” – Mar.3 Issue
Our company’s market analysis series, “Teddy Bear’s Market Eye,” led by our representative Takashi Noda, has been well-received. On our website, we feature only the top column from the latest edition of Market Eye. For our clients, we also provide a comprehensive version that includes additional commentary on market trends. If you wish to subscribe, please contact us via the inquiry form.
Disclaimer:
This report aims to provide information about the economic and market environment as a reference for investors. It does not recommend investment in any specific securities nor is it intended as an invitation to invest. The report is based on information deemed reliable and represents independent analysis and opinions at the time of writing. However, the accuracy of its content is not guaranteed.

1 日米経済金融情勢
◾️米国
米アトランタ連銀が経済指標から国内生産を予測するGDPナウによると25年1〜3月期の米成長率は2.3%と堅調な景気が続く見通しになっているが、足元の消費者心理は悪化している。個人消費の先行指標である消費者信頼感指数が予想を大幅に下回り、3年半ぶりの落ち込みになるなど、最近の弱い経済指標を受けて成長懸念が現実味を帯びてきている。政権当初の期待感が剥落し、関税政策が先行きの不安を高めている。脅しに留まらず、一部は実施される可能性が高まっていて、輸入品の価格上昇や企業の生産コスト上昇に拍車をかけ、インフレ再燃に繋がり消費を冷やし景気を下押しする懸念がある。世論調査によると米成人の約半数が関税はインフレや景気減速につながると予想するなど、消費者からは冷ややかな反応が示されている。
経済指標がもう1、2か月低調なら、むしろ政策は不確実性をもたらし米国景気やドルは下振れする可能性がある。
イーロンマスク氏の率いる政府効率化省は、200万人の政府職員の削減と連邦政府支出を1兆ドル減らす目標を掲げ、官僚機構の大リストラや国防予算などの予算削減に取り組んでいる。イーロンマスクに抗議するデモも広がりを見せ始めていて、最近の世論調査によると米国人の半数以上がマスク氏に否定的な見方をしている。現時点で米国の雇用が崩れる見方は少ないが、今後はDOGE関連で100万人近い雇用減が起きる恐れがある。
◾️日本
来週5日に日銀の内田副総裁が静岡県金融経済懇談会で挨拶と記者会見に臨む予定に注目が集まっている。市場に追加利上げの織り込みを一段と促す発言するのか、市場の織り込む利上げペースが早いと牽制するのか、発言がポイントになっている。今の時点でトランプ政権の関税政策が日本経済や物価に与える影響を予想することはできないので、このタイミングで追加利上げを織り込む発言をする可能性は低いと思われる。2%の物価目標はすでに達成していると思われ、インフレを抑制するためには金利の正常化を急ぐべきだという意見もある。
2 日米市場動向
◾️米国
・今年になってからは課税強化や景気の減速に対する懸念で市場心理は悪化している。S&P500の大統領選直後の終値は5782で、このレベルを下回ると、トランプ大統領の政策への不信感から株価の下落が加速する可能性がある。大半の投資家は株価が下落する局面では、トランプ大統領の株価を支援するコメントや政策の一部修正が行われると期待しているが、世界の貿易構造を米国に有利に変えていくためには、ある程度の犠牲は覚悟して関税政策を推し進める可能性が高い。
・米国株式市場の悪化のタイミングは予想しづらい。それでも、投資家は今後の市場の大暴落につながり得る潜在的なリスクについて警戒しておく必要がある。百兆円のデータセンターへの投資など最近のデジタル革命は投機的で、過去の技術革命と比べて生活水準の向上にはあまり貢献していない。また、関税政策での製造業の国内回帰の実現は困難で、スタグフレーションを招くだけに終わる可能性が高い。高金利が続くと負債の多い企業の倒産やファンドの破綻による金融システムリスクの発生も警戒しておく必要がある。GDPの6.4%に達する巨額の財政赤字や政府債務の年間利払いが1兆ドルに上ることも懸念材料である。
◾️日本
・先週末の日本株式市場は、米国のトランプ政権の関税政策やエヌビディアなどのテック株の先行きへの不安が台頭し、一時37000円を割り込む展開となった。トランプ政権の関税政策や米景気鈍化の兆しがあることを考えると、景気敏感や輸出関連中心の日本株は、当面下値リスクを意識する場面が続くと思われる。本格的な上昇はFRBの利下げ再開後を予想。
・債券市場は日銀の植田総裁による長期金利の牽制発言で金利の上昇に歯止めがかかった。当面のレンジは1.2〜1.5%になるのではないか。次回の日銀の0.75%への利上げの時期は5〜7月で10年長期国債の上値は1.8%程度になると思われる。
・為替市場では投機的なドル売り・円買いが急速に膨らんでいる。投機筋は日銀の早期の追加利上げを予想しポジションを積み上げている。一方で140円台の個人投資家のドル買いニーズは旺盛で、相場は膠着している。トランプ政権の日本に対する為替のスタンスがはっきりしないうちはあまり大きく動かないと思われる。
以上

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